昨晩、木更津市内のお馴染みの居酒屋さんで、アクアライン800円運動を率いてきた4名が久しぶりに顔を合わせた。この居酒屋さんが間もなく閉店するとのことで、ママさん囲んで交流をもったのだ。

1997年12月に開通した東京湾アクアライン。当初予想36,000台/日だったが、高い通行料金のために現実には13,000台/日程度しか使われていない。大都市へ若者や裕福な買物客を奪われる現象(ストロー現象)がおき、地域経済が衰退都市の魅力のバロメータである地価は、全国トップクラスの下落を続けてきた。

平成2001年11月~とにかく始めよう、アクアライン通行料金研究会発足させ、私、岩波初美個人は、㈱アプレイザルと通行料金と台数の関係の調査契約を結んだ。結果、800円なら2.5倍まで台数が伸びそうだ。800円運動の始まりである。

800円の社会実験を公約に掲げてもらった候補が、2度目の知事選挙で当選を果たし、2009年(平成21年)8月から800円の社会実験は始まった。調査を実施していただいた㈱アプレイザルの代表松下氏は2004年の報告書の中で次のように述べた。

~アクアライン社会実験のめざすもの(展望)はこうだ。「損して得取れ」と言う言葉があるが、まず思い切った@800円値下げ社会実験を行う。アクアライン本体では若干の赤字がでるものの、利用を大幅に増加させ、これによって首都圏の交通渋滞緩和、大気汚染防止、及び東京湾沿岸地域の産業の活性化、暮らしの質の向上を図るのである。次にサービス産業を中心にした売上が増加し、また国、自治体の税収が増加し、国あるいは社会全体で見たときにはトータルで巨額の黒字が得られるようになるのである。~

今年の夏で社会実験から7年が経過することになる。英断を下した森田千葉県知事の2期目最終年でもある。私たちが呼びかけた800円運動は、果たして松下氏が予測したような巨額の黒字を達成できたであろうか?これこそが住民運動がもたらした社会実験の成果である。この成果を本にまとめようではないかということが、昨晩の木更津での交流会の成果である。

図1