子どもの虐待死を防ぐ目的で強化されてきた、児童虐待対策事業。この10年間で相談対応件数は4倍に急増した。一方で虐待による死亡数は、全国で年間40人から60人の間を行き来していて減る傾向にはない。要するに、189間違いでもよいから躊躇せずに通報をと呼びかけてきた強化策は、目的である虐待死を防ぐための効果は見えてこない。逆に虐待対応を強化すればするほど、上手く対応できない母親が責められ、虐待親とレッテルが貼られる。追い込むほどに表に見えなくなってしまう。少子化が進む要因は正にここにもあるのでは。