先日、学校の先生の勤務実態調査結果と取り組み内容を資料として入手したことを報告した。資料で概要をつかんだ後は、資料から想定できる実態や不明箇所を直接、担当職員にヒアリングして、認識を確定したり改めたりという作業を行う。昨日、1時間半程度じっくりとこちらからの質問に応じていただき、かなり中味を深く理解することができたので、成果あるヒアリングだった。
教師全体の3分の1がそれぞれ20代と50代。残り3分の1がその他年代という、偏りある年代構成が全国的傾向だ。50代の大量退職とともに今後20代の先生が増えるので、更に20代と30代が全体の過半数を占める時期が間もなく訪れることになる。教員資格を持つ人で現在30代、40代の方々が他の職種についているということを考えると、一定経験のある社会人採用にもっと力を入れる必要があると思う。デンマークの事例をみると教師で新卒者はほとんど例外で、社会人経験者30代から教員になるというルールが一般化しているとのことだ。教師という職業の特性上、新卒者より経験者が良いという判断があるようだ。ちなみにデンマークでは、教師も医師もほとんど学生は専門学校で学ぶようだ。大学で学ぶ人は研究職など一部で、職業教育は専門学校、転職を希望する場合は新たにその専門学校に入り直せばよい。学費は無料で、就職して納税して次世代の国民に教育費を提供していく・・納税と支出の世代間収支のバランスが取れているのがデンマークのみならずスウェーデンの報告書にもある。国家の経営として、かなり見習うべき方向性があると思う。教師の社会人採用は日本でも無理なくできるので、千葉県からまずと実行してほしいところだ。知人の県議からでも話題にしてもらおう。
鎌ケ谷市の教師の状況で、対策が必要と思うところは次の点という確認ができた。若い教師が部活動の担任を行うので、朝7時前から出勤し、授業準備は生徒が帰ってから居残りで行うので、夜9時過ぎまで学校で仕事して、また翌朝7時前に出勤という、常識を逸した激務が存在している現実だ。それでも仕事に充実感を持てるのは生徒に関わる仕事であるというその達成感があるからに他ならない。ちなみに先生には残業という概念がないので、激務が残業手当という人件費に跳ね返らない分、対策も遅れがちになりやすい。この点については、このままでよいということはなく、メリハリのきいた、早く帰る日、今日は遅く残る日・・休息を組み込んだ勤務体制を目指して取り組んでいる途中であるとのこと。鎌ケ谷市では小中合わせて14校しかないないという、学校間での情報交流がとりやすい環境があるという。その結果、他校での成果をほかでも実践するなどの機運が高まりやすく、その結果として、教員生活の充実を実感している教師が9割近くになるという、これは取り組み成果を表す数値に違いない。
ということで、現場の校長から教師の声を更に聞きこみたいところであるが、現場への訪問希望がなかなか叶わないのだ。教育委員会からの了解がいただけないのだ。おそらく、教育委員会側から「現場に負担をかけるから」という配慮と思うが、職場環境を改善させる上でその現状を議員に伝えることは、効果的な方法であるとの認識が現場にはあるはずである。目標達成に向けてのアプローチが「自分たちでできる方法」にこだわりすぎていると、結局、成果までたどり着けないと思うが、今は理解いただけない状況だ。