鎌ケ谷市立第3中学校のほか、船橋市、浦安市、野田市、市原市、君津市の全部で6つの小中学校における、学力向上のための2年間にわたる「学力・学習状況検証事業報告」を取り寄せた。

そもそも、この資料取り寄せのきっかけとなったのは、去る11月28日に第2中学校で実施された教育集会に参加した際、全国平均との比較で第2中学校の学力傾向(残念ながらほとんど平均を下回る)が報告されたことから、気になりこのテーマを追いかけることとしたのです。学力というのは2つの山があり、平均を上回る傾向の山と、下回る山の2極分化していると思われます。山というのは一人一人の生徒の実態の積み上げですから、要するにどういう状況の生徒が何処にどのように生活していて、どのような対応策が求められているのかを、できるだけ詳細に把握して、個別に有効な対策をとるということになるのでしょう。もう一つは、対策をとるべき教師のスキルをどのようにアップさせていくかということになると思います。

6つの報告書は書式がバラバラであるため、共有がしづらい点はありますが、それを上回るだけの個別取り組みによって得られた知見と成果が散りばめられています。いくつか第3中学校での評価を列記します。

◆国語少人数授業へのアンケート評価・・挙手した時に指名される機会が多い。一人一人にしっかり教えてくれる、質問したらすぐ返ってくる。◆放課後学習クラブについて・・本当に必要な生徒は来ない。どのように働きかけをするか課題、◆まとめ・・教師は、教えるプロとして教材研究し、1時間1時間に真剣に取り組むこと。毎時間の学習目標を明確にし、達成に向けてあらゆる手立てで生徒にアプローチすること。常に授業改善や個に応じた指導を怠らないこと。当たり前のことを当たり前に徹底してやること。

6つの報告をみると、成果の上がる取り組みとそうでない取り組みが明確にあるようです。こうした成果を共有し、常に改善を図り、確認し確定していくような知識のマネジメントが、ここでも効果を左右するのであろうと認識を新たにしました。浦安市の報告の中に、「質問回数が増えることが学力を伸ばすことにつながっている」との知見が得られたという報告がありました。「質問をする」を大きな指標にして、授業を組み立てていくことは成果が得やすいのでは。素人ながら私の見解です。

その大前提として、教材研究の時間、個々に応じたアプローチできる時間とゆとりを教師が確保できるよう、職場環境の改善は急務であると考えます。

6校の報告書

6校の報告書

です。