毎年、9月議会中に前年度の決算審査を行う。私は、一人会派ということで出場権がない。よって傍聴席からその様子を見る一日だ。決算委員なっている議員は、通常議会と違って審査のための調査等に忙しい時間を過ごす。傍聴のみの私のような議員は、傍聴席からいろいろと知ることになる。各議員の決算へのアプローチが個性的であり、いろいろと参考になる。
中でも印象的だったのは、鎌ケ谷市の財政状況について的確に把握し指摘されていたことだ。これまで、広報かまがやを通じて、執行部は「財政は健全、決算は黒字、貯金がまた増えた」等々のキャンペーンがずいぶん強調されてきたのだが、そうしたキャンペーンへの警告もされていた。要は、市には事実を説明する責任があるだろうというという言い分だ。過去、財政がひっ迫して財政破綻した夕張市状態になりかけたことがある。理由は、国からいただくお金が国策の変化によって削減され、それをあてにしてきた鎌ケ谷市は大きな打撃を受けたということだ。その苦境を乗り越える原動力となったのは、「相当の覚悟」が必要とする執行部から議会や市民への正確な情報発信だったという。
今や、なんとか毎年貯金ができる状況となって、今度は一転して健全キャンペーンとなるが、実際、周辺自治体に比べて、わが市の財政状態はかなり弱いではないか、しっかり本当のことを市民に知らせるべきではないか。という正当な訴えを聞いて、議会の機能が確認できて安心した。
それから、毎年黒字で貯金ができる・・という表現をするが、自治体では毎年黒字は当たり前。予算の範囲でしかサービスを提供しないからだ。この黒字が増える意味には、サービスの提供量が予定金額より少ない、よって収支でプラスになり貯金ができるという意味がある。プラスが大きいということはよいことではないのだ。だから収支のプラス適正値3~5%が示されていて、鎌ケ谷市はそれを上回る10%超という。行政サービス水準が低いという意味になり、ならば市民にサービス還元をすればよいという話になる。