昨日、鎌ケ谷市議会9月定例会での一般質問が終了した。今回は16名中の最後のくじ順だったので、最後の質問者になるのは初めてだったが、これはこれで良いものである。終わりだと思うから、自分も周囲も集中するようだ。
私の場合、いつも打合せ通りにはいかない。職員によっては予定外の質問がないように、細かなやり取りまで打ち合わせを希望する方もいれば、答弁の作戦上なのか、大まかな方向性のみで、あっさりした打ち合わせで終わる方もいる。議場というリングでのライブ感は、当然後者の方が満載となる。
今回の質問の一つが「要望のないフェンス取り換えより、市民が求め続けてきたテニスコートの一面増設を優先すべきではないか。」という趣旨の質問である。答弁する執行部の作戦は「命や財産を守る事業が優先であり、テニスコートはそれには当たらないので、市の優先事業からはずれる。」という、メッセージを意識的に発信するという手法だった。しかし、3年前の弓道アーチェリー場を急きょ事業予算化した時には、「生涯スポーツの推進は健康維持に役だち、極めて有意義だ・・」くらいの発言だった。ころころ変わるその場しのぎという印象しかない。
テニスコートを敷地内に1面増やしてほしい、駐車場を減少させればそれができるのでお願いしたいという、利用者のささやかな要望ではないか。事業費が増額するのでできないという答弁があったので、いくら増えるのか訊くと、見積もりさえとっていない。11坪の休憩所を解体して移転させるのに3千万円かかるので、改修予算は合計1億円程度になると見込める・・って、議場で説明するのに根拠もない勝手な予想数値を出して恥ずかしくないのか!見積もりくらい簡単にとれる。私が独自で専門業者に見積もってもらったところ、全部で5千万円程度で、市民要望である1面のコート増設と、休憩所の解体と移転、4面分の人工芝の有り替え、フェンスの補修は実行できる。30年度に予定している大規模改修予算の範囲で実行できるのだ。常識外れの事業費用を公式に発表できる自信とはどこから来るのであろうか?
今回の一連の東初富テニスコート事件でわかったことがある。テニスコートの大規模改修は10年ごとに最低でも必要であり、3~4面のコートでも、5千万円、1年で割ると、年5百万円は改修費が必要ということである。この改修費は、受益者である利用者の利用料金から賄うことが望ましい、納税者にこの負担を背負ってもらうことが避けられるからだ。そのためには、若干の利用料金値上げへの理解と協力を利用者から得る必要がある。そのためには、市民の要望にできうる限り対応せねばなるまい。その対応が今回はコートの1面増設である。コート1面の利用料金、2時間1000円を1500円にして、4面が現状のようにフルに利用されれば、充分改修費用は調達できる。誰もがハッピーになるではないか。
「命と財産を守る」ことが自治体の任務であることは当然である。しかし、文化スポーツをおろそかにする自治体を市民は求めていない。むしろ、しっかり利用していただき、受益者負担を増やし、納税者負担を減らしていただき、その分、財産と命を守る諸事業に予算措置ができるように全市民の一体感が重要である。テニスコート増設というささやかな要望を掲げる市民を、命と財産に反するかのように敵対視し、市民の間に無用な分断を扇動するような言動は、自治体の姿勢としてはいかがかと思う。