「中学生の野球県大会に出場した学校の選手名簿から、施設入所中の我が子の名前が消されている。その理由を知りたい。」と母親からの訴えがあり。母は県大会の情報を得て、我が子の姿を見たくて球場の観客席に出向いた。そこで購入した選手名簿から、ユニホーム着てボールを拾っている我が子の名前が消されていることを知る。

市教育委員会に尋ねると「児相からの指示に従っている。児相案件は児相に一本化しているから、児相に問い合わせて欲しい。」とのこと。決まりきった返答だが、名簿から削除という行為を実行した教育委員会は当事者である。その説明責任を本来負わねばならない。また暗闇に戻された。説明責任という感覚のない密室が児童相談所だから。

2019年1月24日、野田市の女児が父親からの暴行で命を落とした。その検証報告書で、親元に戻しては危険であると市は見立てていたが、県の専門機関である児童相談所の判断にモノを言えなかったという。県と市は対応であり、市が自分の判断を主張しないことで子の命が守れなかったと強く非難されている。

市の判断の方が正確なはずだ。毎日顔を合わせている教師が子どもの異常に気付かないはずはない。「母親とおばあちゃんのところに帰りたい気持ち半分、野球の仲間たちと離れたくない気持ち半分」と裁判所の調査で語っていた子だから、この中学生が自分の名前を消された理由についてどのように受け止めるか、その反応を聞き取りして欲しいと、それだけを依頼するしかなかった。