昨日は大学での講義の日でした。終了後、研究室で教授といろいろしゃべってきました。その中で、レントシーキングという考え方を知っていますか?という話になりました。レントシーキングを解消させる努力なしに日本経済・地域経済は復活しないという結論に至りました。
身近な事例をみましょう。鉄道高架下保育園は民間企業(鉄道会社)が建設しています。建設費9000万円といい、その3分の2に当たる6000万円は補助金で賄い、残り3000万円を自己資金という説明です。この施設は出来上がったのちには、市は月額90万円の家賃を公金から支出しています。3年使えば自己資金が回収できる計算です。一方、鉄道下という利用価値の少ない土地の固定資産は周辺に比べ3分の1の価値だそうで。土地代を加えても月90万円は高すぎでしょう。せめて半額ではないでしょうか?鉄道会社が自分の土地を使いつくるこうした施設に、公的資金が余分に支出されることをレントシーキングと呼ぶのでしょう。
レントシーキング
・・「レントシーキングによる富の収奪」ノーベル経済学者 アメリカのジョセフ・スティグリッツが批判している現象。民間企業が政府と結び付き公共サービスの仕組みを変え、市場のルールを変え、市場の公正な競争を機能させないように講じられた結果起こる現象を「レントシーキングによる富の収奪」と呼び批判している。これによる支出は生産とは結びつかないため、社会的には資源の浪費とみなされる。
「世界の99%を貧困にする経済」ジョセフ・スティグリッツ著