理由が理解できないまま親と切り離された子どもが皆抱えることとなる愛着障害。私が出会った親子分離を経験した子ども達、戻ってきて直接話を聞けたケースと、子からの手紙、裁判資料に記載された子の発言から、子どもの気持ちを知ることになったケース、いずれの場合も下記の愛着障害の事例がほとんどに当てはまっている。
長期間親と切り離されたことによって、子どもの精神が壊れていく。取り返しのつかない甚大な後遺症を残すこととなる。「幼い子供にとって乳幼児期に母親がいなくなることは世界が崩壊するに等しい過酷な体験である。子はまず泣き叫ぶ、母親を探し出そうとする、求めても母親が来ないことに悲しみと怒りで抵抗する。それでも母親が戻らないとなると、意気消沈し無気力となり、食欲は落ち、眠れなくなり、成長が止まってしまう、これを絶望という。更にその時期を過ぎると母親の記憶は封印され、何事もなかったかのように脱愛着状態となる。生存のために子は母親への愛着を切り捨てる選択をする。子どもが払った犠牲は果てしなく大きい。」(愛着障害 岡田尊司より)
この実態を、「親の虐待による二次被害」などとデタラメな見解が児相内ではまかり通っているが、これは親子分離の結果であり、強制的親子分離がなければ回避できたこと。被害児を愛着障害から救わねばならない。