鎌ケ谷市を南北に縦断する船取線と、東西に横切る千葉鎌ケ谷松戸線。市のほぼ中央で、この二本の県道が交差するのが「初富交差点」だ。しかし幹線道路が交差するにもかかわらず、初富交差点では船取線からは右折できないという異常事態が長年続いている。こうした道路環境の悪さが市の発展を妨げてきた。
 先の9月市議会にて、「初富交差点改良方針の早期確定と優先的実行を求める陳情」が市民から提出されたが、否決された。否決理由は「交差点改良は事業費が大きい。新京成高架事業や464号線延伸事業が優先」と。
 一方、船取線の新鎌ケ谷付近は既に片側2車線に拡幅済みだが、現在そのうち1車線はガードレールで仕切られ無駄な空間に。拡幅済み地点から初富交差点までは約300m。交差点改良と合わせこの区間を拡幅することで、初富交差点までの片側2車線化も見えてくる。
 陳情した市民は「昔から『魔の交差点』とも呼ばれ、その改良は長年の市の大きな課題。一日も早く確実に実行できる新たな改良方針を示し、長年手付かずのこの問題に真摯に取り組んでいただきたい」と訴える。市議会の判断は、重大な市政の損失につながる。先の陳情者は「こんな市議会に市民の未来を託せますか?」と疑問を投げかける。

右折禁止の初富交差点

右折禁止の初富交差点