「あの時代のことを話したくないのよね。でも残さないといけないと思って書きました。皆、残すことをせずに亡くなっていくから。」とおっしゃって、知人より上梓した詩集「ふるさと浅草・父母・学童疎開・平和への想い・・浅草のおもひで」(青風舎)を頂戴しました。以前にも、満州旅順での生活とその時代の社会背景を緻密な資料からまとめ上げた、孫たちの世代に向けての力作「祖父の時代-旧制旅順中学校-」(文芸社)を紹介したことがあります。
文書の間にたくさんの短歌や俳句、詩で構成されていて、一気に読ませていただきました。
「いつの世も弱きもののみ荷の重く今年も暑き終戦の日よ
疎開時の有様今に語りたく言の葉探す八月の我」
などなど、短い言葉から滴り落ちるように気持ちが広がってきます。模造品の銃が本物にならないよう、自分は何ができるのかと問うひとときです。