以前から一度は鑑賞してみたいと思いながら、なかなか時間が合わずにいました。昨夜もだいぶ遅れてしまったのでダメかと思いましたら、二部作と言うことで後半の芥川龍之介原作を下敷きとしたという作品を鑑賞できました。劇団は鎌ケ谷アルトギルドといい、代表が梨農家と言うことで、新高梨が最盛期という梨畑に観客席をつくります。梨畑は高台にあって、一方一段低い位置に舞台が作られています。周辺の草むらが波のように見えたり・・そのままが舞台となっています。夜ならでは成り立つ野外劇場とはこういうものだというメッセージが伝わります。
台詞が声に載って言霊のように響き迫力ある舞台です。鬼ヶ島に乗り込んだ桃太郎は犬猿キジに指示を出して、平和に暮らす鬼達を惨殺してしまいます。降伏した鬼の長を捕虜として、その息子達を人質として連れて帰ります。桃太郎が言います。「命が惜しければ島の宝を全部差し出せ」と。隊長が桃太郎に聞きます。「私どもがあなた様に何か悪いことをしたのでしょうか?」桃太郎は言います。「鬼ヶ島に征伐に行くために犬猿キジを召し抱えたからだ・・」と何度も問われ何度も繰り返します。理由のない殺戮、なくした命は戻りません。 11月きらりホールでも「しあわせのタネ」の上演が企画されているとのことです。http://shiawasenotame.jp/