岩波ジュニア新書は読み応えあり

岩波ジュニア新書は読み応えあり

鎌ケ谷市中央図書館2階に岩波ジュニア新書コーナーがある。興味深いテーマを取り扱った図書がたくさんあり、6冊も借りてしまったので2週間の貸出期間で全部読み切れない。ちょうど中学生に理解していただけるように筆者が意識して書かれた書籍ばかりだ。TVでよく見る「よくわかる~」池上彰さんのやさしい解説の様だ。

その一つに「ハンセン病を生きて」伊波敏夫さんの著書がある。長野県上田市の小学校5年生が伊波さんの著書「花に逢わん」を読み、伊波さんとの交流をしながら、長野県出身で現在も遠い療養所で暮らす元患者さんとのつながりを生み出したりと学習している記録でもある。素晴らしい授業を導く先生と児童らに感激した。

同じくジュニア新書「人権読本」鎌田慧著には、部落差別についての記述もあり、自身の中に潜む「差別、排除」の気持ちと向かい合う勇気をこうした学びから会得していくのだ。伊波さんは国から受け取った隔離政策被害者賠償金をフィリピン、元ハンセン病隔離施設のあったクリオ島出身者優先に医療に従事しようとする方養成の伊波基金を設立した。フィリピンの銀行が趣旨に賛同して金利を上昇させていただき、利回りが大きく確保できることとなったという。本当に頭が下がる思いだ。