12月定例議会で緊迫財政が明らかに。昨年度より赤字決算が始まり、今後も基金取り崩しが進行し、4年後2021年には財源不足予測。この1~2年での態勢つくりが勝負。

「鎌ケ谷市は過去一度も赤字になったことなく、昨年も10億円の貯金ができた」「財政は健全だ」・・そういう健全アピールを信じてきている鎌ケ谷市民の皆さん、「4年後の2021年には、貯金を全て取り崩しても、必要な財源が確保できなくなる見通し」と言われても、まさかと思われるでしょう。黒字も貯金も要は形式的数値であり、実態を表す実質単年度収支(貯金の取崩額も組み入れて計算)は昨年度決算から赤字となっていて、この赤字は今後も継続し、このまま何もしなければ、4年後2012年には、基金を全て崩しても財源が8.3億円不足し、計画した予算を組めなくなると先ごろの12月定例議会にて説明がありました。かなりショッキングな現実の発表です。
 大変な事態でありますが、ごまかされるよりはまだマシです。なぜなら、財源不足に備えての態勢を整える時間があるからです。今日からすぐに役所の全事業を聖域なく見直す必要があります。以下が私の考える見直し方針です。
① 手法の変更で予算額を削減できる部分はないか。
② 今しなくてもよい事業は止め、予算の集中投資。完成が当面見込めない複数事業にパラパラと予算投入しない。例えば水害対策に集中投資し完成を急ぐことを市民に向けて明言し、それがムダ使いを防止することになると理解してもらい、市民利害の対立を回避する。
③ 本来の目的が効果的に達成できるよう、誘導のきく事業手法を本気で提供。予防意識を高め医療費を縮減、老人憩の家等で定期的な介護予防サービスを提供し介護費を縮減など。短時間でも就労できる場を用意し生活保護費を縮減など。
④ 健康、予防、就労機会確保、用地交渉などの重要施策には積極的な人材登用と必要な予算の配置。
⑤ 住宅都市に見合う産業政策を選択して誘導。省エネ再エネ産業、予防健康産業、福祉産業、観光農畜産業等。
⑥ 市役所内縦割りを止め、職員同士が連携を強め、効率よく事業遂行。移動が困難で選挙ができなくなっている市民の投票所への移動支援に福祉部局が協力する等。
 高齢化社会の本格的進行はこれからだというのに、すでに貯金の取り崩しが始まっているという鎌ケ谷市財政です。市民の安定、安全な生活の確保のために、この1~2年の時間が極めて大事です。聖域なし全事業からムダを省き、効率アップを図るには、全市民が利害対立ではなく、対話によって知恵を出し合いましょう。