私はちょうど1年前に千葉工業大学で修士論文に取り組み、大学院を修了した。その時、「研究とはなにか」を初めて体験する、その指導をいただいた教授3名と、一緒に授業を受けた社会人学生の友人と大学の研究室で暑気払い飲み会を昨日行った。校舎を見ると1年前の苦行がよみがえってきた。研究とは科捜研と同じで、足跡一つずつのデータをコツコツと拾い集めていく作業であると、一点突き抜ける作業であると、昨日もそんな話題で盛り上がった。
 昨年、修士論文でまとめたのは「原発避難者の帰還を実現するための条件と政策に関する研究」である。原発避難者が避難解除後に故郷に帰還していく意味と未曽有の被災地で人々がどう生きていくか、そのために必要とされる条件を、帰還している一人一人への聞き取りから明らかにしていった。この結果から、被災地の現状は、高齢化が進行していく全国各地の課題とほぼ重なりあうこともわかってきた。1年前に手掛けた本テーマとまた向き合う機会が得られますよう、8月は福島に出向く予定だ。

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