ASD、ADHDといった発達特性を持つお子さんが、家庭内でのトラブルや自らの発言、行動によって一時保護される事例が大変に目立つ。子どもへの対応に苦慮している親たちに有効な講習等も案内されることはなく、乱暴な言動を「親の虐待によるトラウマのせいだと私たちは考えています。」と取り付く島もない。発達特性を持つ児童が、イライラして暴力的な言動をするということはよくあり、言語で説明いただけるわけではないので、周囲の家族や支援者らは、そのきっかけになるような出来事を想定して、こういうことが苦手なんだ、こうすれば納得できるんだと理解と配慮を覚えていく。
科学的な医師の診断書もなければ、トラウマの原因となった過去の恐怖体験が何を指すのかも定かではない中で、決めつけによって親子分離が強行されてしまう。愛着が必要な場面で逆に分離を行ってしまったら、一人の児童は人として成長する機会を失ってしまう。『これが児童にとっての最善の利益』と正義を振りかざされることに恐怖を感じる。第三者として立ち会う私がせめて納得できる判断基準を示して欲しい。ここで道を誤ったらまずいことになると、少しは疑念を持ってほしい。
NPO地域共生を支える医療・介護・市民全国ネットワーク主催、第3回全国の集いスポンサードセミナー9 報告書によると、精神科医(とよたまこころの診療所院長)、鷲山拓男氏の講演では、破綻をきたしたかつてのアメリカの虐待対応制度を紹介し、通告・分離介入・保護者の訓練に偏った制度では虐待が減らないどころか、制度自体が子どもたちへの虐待になりかねない事を指摘して、予防のための支援の重要性と日本の現行制度の見直しを促す。 著書の『虐待予防は母子保健から 指導ではなく支援』(東京法規出版)には、保護者支援にあたる自治体 ・児相職員へのメッセージとして、「善意はしばしば有害であり 、熱意は非常に危険である。さらに正義はもっと危険」と記されている。


