今年度から大学院の学生に戻っている。来年は卒業研究ということでいろいろとテーマを思いめぐらしたところである。ようやく絞ったテーマが「避難地区解除後の住民満足度向上とコミュニティ存続条件に関する研究」である。地震から5年たった中で、長期避難生活を続けてきている10万人の福島県民が今も全国各地に暮らしている。少しずつ避難区域が解除され、住めるように整えられてきているところである。実際に戻ってくる方々は高齢者が多く、基幹産業であった農業に関しては生産活動が以前と同様再開できるわけではない。福島県が行ってきている意識調査結果からは、保障制度により経済的な心配は少なく、むしろ、生きがい意欲の消失が惹起されている。

月曜日、火曜日と2日間、福島県内で何人かの方々から現状を聞かせていただいた。震災資料を集めているはずの県立図書館(立派な建物)に朝から出向いたら、なんと、年1回の集中整理期間とのことで、資料確認ができず酷く残念な思いをした。その代わりに二本松市にある浪江町役場にて、復興担当係長から一年後の避難区域解除に向けての正に試行錯誤をうかがうことができた。行政としては「安定した暮らし」にまずは取り組んできたという。その先にある「生きがいある暮らし」は行政の努力だけでは実現できない。一人一人、民間リーダーたちの機能こそが求められる。

月曜日早朝の新幹線で行くと、朝9時から勤務可能

月曜日早朝の新幹線で行くと、朝9時から勤務可能

年1回の整理期間と重なり残念な福島県立図書館

年1回の整理期間と重なり残念な福島県立図書館

半日余裕ができたので、帰りがけに郡山により博物館めぐり

半日余裕ができたので、帰りがけに郡山により博物館めぐり