事務所の片づけをしていたら、自治体鎌ケ谷の歴史という記録資料を手にして中を見た。その中に議会だより第1号が画像で掲載されていたので、虫眼鏡を使って、何とか読むことができた。議員としての力強いメッセージを町民に向けて発信していたので感動した。「町民の皆様に必ずしも満足していただけてない現状を反省し、今後も批判は自由、過去を葬ることはしない。議会の活動をガラス張りにしてその真実を皆様に知っていただき、この通信を切磋琢磨の場にしたい。皆様のご要望や苦情、批判というものをいち早く町政の中に取り入れていく。」とこんなメッセージを発信しているのだ。

50年以上たって今の市議会はどんなメッセージを市民に発信しているか?市民は何を受け取っているのか?熱意を帯びた言葉はほとんど見受けられない、つまらない文面になっているのではないか。言葉に熱意がないのは議員が熱意を失っているのではないか?広報かまがやではないのだから、もっと議員の感情を込めた表現が必要ではないか。こうした個人意見の表現すら良しとしない・・窮屈な議会では市民の利益を増幅できない。

郷土資料館発行の鎌ケ谷の歴史

郷土資料館発行の鎌ケ谷の歴史

議会だより第1号 昭和40年6月15日 鎌ケ谷町議会発行

発刊のあいさつ(全文掲載)

現議会が昭和38年5月に発足してから早2年が過ぎた。私ども18人はあの当選の朝の青空のような心を持ち続けて、急速な発展する鎌ケ谷の町政を、何とか皆様のご要望に沿うべく努力してまいりました。この2年間風雨雪霞代わる代わる鎌ケ谷町政の上に降り注ぎ、必ずしも皆様のご満足を得る段階からは遠いことを反省しています。

もちろん事実あったことについての批判は自由ですし、過去は過去として葬り去るなどということは毛頭考えてはおりません。ただ、幾分試行錯誤的な失敗はありましたが、この2年間における私らなりの小さな努力の積み重ねを土台として、本年度からは、18人の議員が信と和とをむねとし、更に発展的飛躍を遂げようとして、本年2月4日には27項目の要望事項を定め、40年度に予算措置を町長に要望いたしました。その実現を図るべく新校舎敷地問題、ゴミ焼却炉建設問題、都市計画等にそれぞれの委員会や議員が手分けをして活躍しており、早くも見るべき効果を挙げております。

このようなことを書くと「そら、議会の執行部への侵犯だ」とか「憲法違反の暴挙だ」など真実に反した最大級の言葉を使い、鬼の首でも取ったように騒ぎ立てる方々がおり、ことさら平地に波乱を呼ぶような者もおります。このような特殊な目的で悪口を浴びせる方々は論外といたしましても、私どもは、執行部の固有事務や委任事務を犯す気はいささかもなく、町長からの協力要請に基づき、地方自治法により特別委員会を設けたり、常任委員会を開催し、町議会の意思決定事項の早期実現を図るため、積極的に協力しているものであります。

また、都市計画については、3名の議員が千葉県都市計画地方審議委員を建設大臣より委嘱されて、法による任務に就いております。そういった内容をこの通信で明らかにしてまいります。皆様が議会のたびに傍聴に来てくださったり、委員会等もたまには覗いてくださるといいのですが、お互い忙しい日常を持っている方にはなかなか難しいことですし、また、町で発行する広報には、議会のことばかりにスペースを割くこともできません。そこで、私どもはよりよき議会であるために、議会の活動をガラス張りにしてその真実を皆様に知っていただき、この通信を切磋琢磨の場にしたいと念じております。

この通信は、決して上からの押し付けではなしに、議員18人の活動の模様と議会の動きを常に皆様に知っていただき、その上で皆様のご要望や苦情、批判というものをいち早く町政の中に取り入れていくことを目的としております。真実の報道と生の町民の声とが、この紙上に交響してそれが町政の上に明るく具現してしていくのであれば、という願いを込めております。

近頃は鎌ケ谷の皆様は、鎌ケ谷町議会のことよりも東京都議会のことに詳しいではないでしょうか?ゴミやし尿や学校や保育所の問題で、直接皆様に関わりを持つ鎌ケ谷町政へ、皆様の目を向けてください。難しい議論や堅苦しい言葉は私どもは不得手です。ただ、地域住民の福祉のために健全な地方自治を行ってゆくための一つの道具と考えてくだされば結構です。

以後、議会開会の都度この通信を発行していきたいと思いますが、町政全般について皆様もご教示を待ち望んでおりますから、よろしくお願いして発刊のあいさつといたします。