19日土曜日、鎌ケ谷大仏駅から5時15分の始発電車に乗って、福島県三春町の会場に向かった。失われてしまった福島県大熊町(原発立地地)の大規模なジオラマを設置し、その模型を見ながら、追われてしまった故郷の話、これから生活の話をしようという企画だ。原発立地という特殊事情からか、豊かな財政力で運営されてきた大熊町。文化センターも図書館も建築物しての価値が高く、大変使いやすい素晴らしい施設だったと住民は言う。それがすべて廃墟になった。もったいないとも言う。好きで参加している私だが、スタッフの名札をいただき雨の土曜日を福島県の紅葉の中で過ごした。議会も始まるので、ゆっくりせず、16時のバスで会場を後にした。
「自分の意思で故郷を出たときの思いと、今回のように追われて出ることは全く違う。今は新しい家を外に求めて新らたな生活基盤ができている。もっと早く、一部でも戻れるとわかっていたら、違う判断をしたかもしれないが、今ではもう気持ちが動かない。」というお話をしてくださった方がいた。故郷に戻るという決意をする方はほんの一部であろう。「戻る」という強い意志を持った方々が、新しい街を作り直すことになる。同時に、廃炉作業・除染作業という終わりの見えない仕事に従事する住民が加わる街ができる。どのような環境が生まれるのか、今は誰も想像できない。しかし、これだけの犠牲を乗り越えて始動する新たな被災地のコミュニティ形成。希望の光をともして欲しいと願うばかりだ。