昨日15時から、元都知事の記者会見ということで、思わずテレビ前に座って20分だけライブで拝聴できた。豊洲の土地を巡る東京ガスとのやり取りに関して、「こんな小さなことに自分が一々関わってられない」的な発言があり、一事が万事、全部こうしてやり過ごしてきたのかと正直驚いた。「小池知事が移転を止め、何もしない不作為だ」と批判もしていたが、止める判断や原因究明やデータ取得と安全判断など、大いに知事の権限を使って働いているではないか。小さなこととして、詰めもせず丸投げしている知事こそ不作為ではないか。トップの姿勢は、様々な事実の中にこそあらわれてくる。一般論よりも具体論、個別論こそ重視しなければならない。
昨今、全く関連のない2名の市民から、時を少し隔てて「重箱の隅ばかりつついている」という私への批判の言葉を聞いた。教えてくれた相手は、私と親しい2名であり、その2名が知人から直接聞いたと報告があった。「重箱の隅」という特殊な表現が共通していたことから、そういう表現で私への評価を流布している方がいらっしゃるということを知った。重箱の隅とは、元知事が言う小さなことと同意義なのであろう。要するに具体的個別的な事案に強くコミットしているということであり、ある面、狙い通りの高い評価をいただいたと思っている。小さなことを重箱の隅と言って軽く扱うのは、実務軽視、実務能力の無さを露呈していると思う。市民の暮らしの不都合を解決していくことが、自治体の役割である。特に弱者に対応することは、税で運営する自治体ならでは仕事である。特に重要なのは具体的なプロセス・プログラムであり、一般論でもなければ掛け声でもない。
いつも手帳に挟んでいる標語がある。東レ株式会社の元前田社長が社員に向けて発信してきた言葉である。⓵現実を直視する習慣、⓶一般論より各論実務の重視、⓷競争原理と目標設定、⓸どんぶり勘定を止め生きた数値へ、⓹自助努力による成果と環境変化による成果を分けて捉える、⓺利益責任と原価責任を明確に、⓻組織学習を誘発する仕組みをつくる。以上。常に見ながら仕事に向かっている。