学齢期の長期欠席からつながって、20歳前後になって家庭に引きこもる若者たちが、円滑な社会生活を営めることを目的とした支援事業が、全国各地で展開されている。中でも、佐賀県で展開しているNPO法人スチューデント・サポート・フェイスの取り組みが注目されている。

資料を探していたら、厚生労働省の当該委員会に提出された谷口代表の説明資料が国のHPから入手でき、大変貴重な情報をいただいているので、紹介したくてここに取り上げる。余談ですが、わが鎌ケ谷市の情報公開もこうした講師や委員の説明資料まで掲載していくことで、全国の必要とする人々に貢献できると思う。

対象となる若者は20歳になるまで、あらゆる分野の支援機関と接点を持ってきているケースが多い。しかしながら、たらい回しに近い状況の中で効果を上げられずにいる。「個別分野の知見や施策を結集して、困難を有する子ども・若者を総合的に支援する」「支援者側の都合ではなく、本人と支援者の相性までも加味し、何が彼らから受けれ易いかを考える」「レベルの高い知識ノウハウも、信頼を得られなければ通用しない」・・・の経験から得られる知見が独自な言葉で説明されている。これまでの縦割りと互いに遠慮しあう専門機関の関係性が、結果たらい回しにつながっているという支援方法に釘を刺すメッセージがあふれている。

暴力的な対応は、人間不信、対人恐怖を生み、極端な受容は、退行と家庭内暴力を生んで、問題の長期化・深刻化・家庭崩壊につながっている。

対象者423人調査結果・・学齢時から不適応経験あった70%、きっかは対人関係トラブル65%、精神疾患がある39%、発達障害がある30%、昼夜逆転生活リズム乱れある40%、ネット、ゲームなど依存行動ある28%、複数の支援機関を利用している49%、支援機関利用に際する困難として、支援への不信ある40%、最初は本人が同意していない36%、家庭環境では、保護者と本人の関係悪化38%、保護者本人それぞれに問題(知的障害、精神疾患、ギャンブル依存等)あり27%、経済理由で支援が受けられない23%。以上調査結果で数字の大きなものを列記し、彼らの状況が大まかに把握することができた。

この結果は、おそらくいずれの地域でも同様の結果であると推測できる。これから長く続く一人一人の人生を取り戻すために、一人一人に寄り添う徹底した本気の対策が必要不可欠だ。

気温低く風冷たい1月20日の夕暮れ

気温低く風冷たい1月20日の夕暮れ、大学の16Fから富士を望む