今年1月16日、青木愛参院国土交通委員長室にて、北千葉道路未事業化区間(鎌ケ谷市区間)に関する調査を国土交通省担当者にお願いした。①コストと利益の調査を行っているはずだが調べて欲しい。②北総鉄道大町駅~新京成車両基地間を当初高架計画から地下へと変更した際に、その後の鎌ケ谷区間は高架方式に戻すという判断をした検討記録を調べて欲しい。の2点について結果報告を頂くこととなり、4月26日に鎌ヶ谷市役所会議室でその機会を得ることとなった。国の首都国道事務所からの呼びかけで、千葉県と鎌ケ谷市が同席し、こちらは私の他に、伊藤仁市議会議員と種田扶美江市民団体代表が出席した。

そこで分かったことがいくつかあった。

① 平成30年8月時点、道路構造は複数案を検討することとした。地元の意向により基本構造は柔軟に修正するとしていた。

② 平成30年11月時点、外環から松戸原木線まで2キロと北総線大町駅交差部2キロの2カ所は地下構造とする計画案を決定した。

③ 平成30年11月以降、鎌ケ谷区間の建設コストを国は調査して、経済性から高架構造を選択した。この調査結果は未公表であり、県も市も知らないことを確認した。更にこの経済性を見る際に、高架構造でも地下構造でも経済効果は同額として、建設費が少ない方が経済性が高いと計算したことも確認できた。

④ 令和3年1月に都市計画変更が決定した。464号線付近で地表に現れた専用部は、新鎌ケ谷エリアを高架で越えて下総基地付近で地表に降りる、約2.5キロ区間を高架構造とする道路構造が決定した。

⑤ 令和5年12月発表の建設費、外環からの松戸原木線のトンネル部2キロは高い技術力が必要な箇所であり、建設費用には、国分川の切り回し費用も含まれていることが確認できた。結果、このトンネル建設費を鎌ケ谷区間の掘割地下構造に当てはめることはできないことが分かった。

⑥ 「道路は都市施設の一つであり、まちづくりの主体である鎌ケ谷市がその方向性を示すという議論が必要であり、その方向性により道路構造は決定するもの」という千葉県に対して、鎌ケ谷市は「変更の考えはありません」と述べた。

以上より、鎌ケ谷市がまちづくりビジョンを描こうとしないことが道路構造の議論を阻んでいることが分かった。道路による便益/建設コストを明確にすることで、高架構造と地下構造、どちらが鎌ケ谷市にとり経済性が高いのかをはっきりさせることとなる。北千葉道路早期実現には最優先に行うべき行動であることに確信を得た。