先月末、6月25日、児童相談所のあり方を考える地方議員懇談会を発足した。私は発起人代表としてこの会を立ち上げ、代表に就任して、この会の目的を成し遂げていくこととした。
児童相談所に関わる実態は、こんな目に遭ってしまっているという、事例の相談を受ける経験を持つ我々地方議員しか知ることはできず、その目撃者として行動しなければならない。被害者らの声を外に示していくことができるのは、私たちしかいない。
私のこのブログを通じて、地方議員の皆様に会への参加呼びかけを行います。
~過少かつ過剰な児童虐待対応の早期修正を目指して~
児童相談所のあり方を考える地方議員懇談会へのお誘い
2023年6月1日
発起人代表 千葉県議会議員 岩波初美
【趣旨】
● 通報は4倍に、でも死亡事例は減らず
虐待通報件数はこの10年間で4倍に増え、一時保護されるお子さんの数は2倍に増え、その一方で、虐待で死亡するお子さんの数はこの10年間で毎年50人前後(全国統計)と横ばいで推移しています。危険なひとつの家族を探し出すために99家族を犠牲にしているが、結局、子どもの死亡を抑制することに成功していない、これが実情です。
虐待親探しの網の目を張り巡らす形で、展開されてきている我が国の児童虐待対策ですが、必要なケースへの介入判断が遅れ死亡に至る事例の一方で、強引な虐待親レッテル貼りが発生し、誤認による親子分離、自由と人権を軽視した公的機関の対応によって、崩壊に至る家族が後を絶たず被害者が急増しています。
● 親子分離優先の虐待対策の現状
そもそも、千葉県野田市で起きた2019年1月24日の女児死亡事件の原因として明らかになったことは、県児童相談所と野田市の縄張り感覚が、子の命よりも優先したという、行政のあってはならない組織体質の問題でした。子を父親の元に戻すと決めた児相に対して、戻すと危険であると分かっていたが、県にモノを申すことができなかったという野田市。しかし、根本原因が行政組織の関係性と体質であることの認識は薄く、あの事件を経ても話題にもならず改善されることなく今に至っています。
逆に、親子を面会させない、家庭に帰さないという、親子引き離しさえすれば事件は起こらないと言わんばかりの分離優先の方向が強化されてきました。この安易な一時保護と長期親子分離を経て、最も重要な職員の専門性が育つ環境も失われてきました。
● 密室での職員対応と児相の機能不全
私たち、地方議員はこうした被害家族の訴えを直接受けることとなり、まさか、公的機関が十分な調査もせずに、証拠もなく親を一方的に貶める作文を作り、裁判所を巻き込んで、子を収容施設に送り込んで、親子面会さえも拒否し、個人情報は黒塗りで事実を暗闇に葬っているなど思いもよらない実態を知ることとなりました。いくら問い合わせても個人情報ですからと退けられ全容はつかめません。
その一方で、児相職員のメンタル疾患は一般公務員の4倍に達し、退職者は増え、採用は定数をはるかに下回るなど、児童相談所機能はすでに内部で瓦解していると想定できます。これでは、収容施設に閉じ込められている子を解放することもできませんし、本当に危険な家庭環境から子を救い出すこともできません。ましてや養育環境に課題がある家族に必要な支援制度を提供するという本来の児童相談所機能は望めないのではと危惧しています。
● 法改正をせよとの国連勧告
2019年と2022年の国連人権委員会から、証拠なし同意なしで親子分離をしている日本、親や子に反論できる公正な機会が与えられていない日本は、先進国としてはあるまじき甚大な人権侵害の中にいて、3年以内に法改正をするよう勧告を受けてきました。
特にターゲットとなっているのが、子育てに何らかの困難を抱える母親です。あなたは子を監護できる状況にないという主観的表現で、親子を切り離しているのが、専門機関児童相談所であり家庭裁判所です。母親を責め孤立させることなく、励まし手助けすることによって子の成長を見届けていくことが求められます。我々地方議員は、子が育つ家庭的環境を整える作業と同時に、これら児童相談所を軸とした児童福祉行政の緊急課題を解決していく道を探し出し、国会議員と共に法制度の改正を急がねばなりません。
● 本会への参加の呼びかけ
まずは住民からの児童相談所を巡る相談対応に取り組んでいる地方議員が連携し、今現在、児童虐待対策の名の下で起きている現実を世の中に知らせ、本来の児童福祉を達成させるために目標に向けて行動する組織を発足させます。
【連絡先】
発起人代表 岩波初美 kamagaya@iwanamihatsumi.com