しばらくぶりでブログ記載します。3月は来年度予算を審議する定例議会です。市民の皆さんは想像できないでしょうが、予算審査という言葉の意味は次の通りです。予算書及び予算の概要説明書ができた段階で審査事前に一回、予算の概要を担当職員から2時間ほどかけて説明いただきます。その後、各自のチェックカ所を担当部局に問い合わせて、審査に臨みます。各会派より選出された委員によって、わずか2日間で1年間の予算が決定するという流れです。問題を含んだ予算が中に混じっていたとしても、事前に一回程度の説明では解明できませんし、当然ながら是非の審議にまで至りません。執行部からの提案は賛成多数で粛々と可決されていきます。
 一人会派の私は、予算審査の委員になることはできません。よって、3月議会の一般質問(※)の時間を使い、予算に関する質問を行います。そのうえで、問題を含んでいる予算については、反対討論の場を使い予算執行を足止めさせるために、反対の意見を申し述べます。これしか、議員としてはできないのですが、実施をしてはならない事業には釘をさす・・そんな役割を果たすのも議員の任務です。※3月21日の私の質問部分録画です。

以下が反対討論の内容です。ご興味ある方はご覧ください。
「これより、平成29年度一般会計予算に反対討論を行います。
第8款土木費、第2目土地区画整理費、都市軸形成促進事業測量委託費400万円に反対します。

反対理由を述べます。
平成22年3月初富まちづくり協議会けやきネットにより、初富駅前広場とその導入路を示した初富駅周辺まちづくり構想案が市長に示されました。本予算は市民協働で進めてきたこのプロジェクトを市民側の了解なしに変更し、行政主導へと基本姿勢も変更してしまった結果として作られた新たな道路計画の調査予算です。しかも、県道拡幅という他機関にも新たな事業が発生するという、たいへん大掛かりな事業計画であり、最後まで実現できる見通しが立っていない中での時期尚早の予算計上です。

詳細を述べます。

初富駅周辺まちづくり構想案では背景の中で次のように述べています。
新京成については連続立体交差事業が平成13年度から実施され。初富駅を含めた3駅が高架の駅となることに併せて、そのような中、市民が主体となり自らの責任の下で施策を選択し決定していく、そのような地方分権の時代の流れを受けて、市民と市の協働で初富駅周辺の整備を考えていく必要がある。

目的の中で次のように述べています。
初富駅周辺まちづくり構想は、市民の意見を取り入れながら、その変化に対応した初富駅周辺の街づくりを進めることを目的に、今後の駅前広場等の整備計画に生かしていきます。

検討体制の中で次のように述べています。
このような整備構想の作成は従来行政が行ってきました。しかし、利用者の立場に立ったより地域に密着したまちづくりが時代とともに求められるようになりました。市民が愛着を感じる街になるように願い、平成17年に初富まちづくり協議会けやきネットを立ち上げました。この協議会では、市民と市が協働の元に意見や知恵を出し合いながら検討を行ってきました。

結果、4年間で100回近い検討の場を経てまとめたものが、平成22年3月に示された初富駅周辺まちづくり構想案ということです。この中で具体的に作り上げたのが、今回予算計上されている駅前広場及び導入路の整備構想図です。

整備構想図検討に当たっての前提条件は、次の4つでした。⓵駅周辺500メートル区間を対象区間とする。⓶都市計画道路345号線(初富交差点に5差路で交わる)が整備されること。⓷駅の位置は動かさない。⓸広場への導入路は民有地の取得が極力生じないこと。以上の4点を前提条件においてまとめた協働の成果が示されたのです。ところがその後、この構想案は実行できないこととなり、代わりに、警察との協議の結果を受け、鎌ケ谷市は新たな導入路計画を策定した。新たな計画は、初富交差点に影響を極力及ぼさないことを最も重要視し、交差点からの距離を確保したものです。鎌ケ谷小学校通りを140メートルの区間拡幅し、併せて、県道鎌ケ谷松戸線も165m区間、道路幅を拡幅し右折車線を確保するという大規模な新たな事業計画です。この計画では、鎌ケ谷小学校通り部分だけでも10件以上の民地取得が必要とされ、県道拡幅は7件の商業ビル含む民地取得が条件となります。けやきネットに示した検討前提条件がいつの間にか大幅に変更されてしまい、市民協働でまとめた構想とは違う結論となってしまったのです。

そして、平成29年度予算で初めて、新たな事業計画を実施するための調査費400万円が計上されているのです。この調査は測量調査ということで、地権者立会いの下に実施する調査という説明です。

先の一般質問での市の見解は、県道と鎌ケ谷小学校通りを拡幅させる本計画を最善の計画であるとの見解を述べている。が、それはあくまで、導入路として側道を使うか、バイク屋さんの通りを使うか、鎌ケ谷小学校通りか、その3つの選択肢の中では、初富交差点から距離が離れているという事実をもって、よりましな計画であるという意味にすぎません。よりまし程度の計画に対して、市道部分で事業費6~7億円との説明です。県道はもっと距離があり、もっと幅員が広いので10億円以上になるのではないかと想定します。このような巨額な公費投入を行うことを、議会が安易に決定しては、後々大きな禍根を残すことになるでしょう。

ではどうしたらよいか、けやきネットに示した過去の前提条件を現状に併せて修正して、改めてけやきネットに見解を求めなければなりません。なぜなら、それが行政と市民の約束、市長と市民の約束だからです。約束をたがえて信頼は成り立ちません。⓵初富駅周辺500メートルを見渡すと新たに形成される予定の側道はじめ、複数の公用地が存在していますので、それら資源の活用や線路西側の商業地を対象区域として再度検討の範囲を広げるべきです。⓶都市計画道路345号線が建設できない可能性が大きいことを想定して検討しなおすべきです。⓷民地取得を前提とし、取得以上の経済効果が見通せることを条件に検討をし直していただくべきです。⓸初富交差点への影響が極力発生しないアクセス道路の位置について、知恵を出して探り出していきましょう。あまり時間がありませんが、すでに4年間にわたり十分状況把握はできているので、あとは判断だけです。
市職員がこの間事業説明に歩いている地権者の方々は、寝耳に水のような今回の計画にたいへん戸惑っています。何度も訪ねられて、ストレスで眠れないとおっしゃる方もいるほどです。なぜ戸惑うか、それはけやきネットであれだけ労力をかけて自分たちが作ったプランとは、全く違う計画にすり替わってしまっているからです。平成17年に高らかに宣言した市民との約束を思い出してください。「市民が主体となり自らの責任の下で施策を選択し決定していく、市民と市の協働で初富駅周辺の整備を考えていく必要がある。」として始めた広場とアクセス道路構想です。けやきネットには役員への一方通行の報告のみで、道路地権者だけに絞って個別交渉に歩く現在の市職員の様子を見ると、こうした約束とは明らかに違う方向に舵を切ってしまったように思えます。

最後に、アクセス道路の必須要件である県道を拡幅させる約束も拡幅時期も千葉県から示されていない中で、鎌小通りのみに調査費を投入したところで、アクセス道路は完成できず、全く無駄になる恐れがあります。事業方針が住民団体、鎌ケ谷市、千葉県との間で、十分合意確定しない中での時期尚早の調査予算になっています。

以上の理由から、この調査費400万円の計上は市民と行政が長い間築いてきた信頼を損なう行為ですから、どうしても認めるわけにはいきません。よって、平成29年度一般会計予算に反対します。」