児童相談所のあり方を考える地方議員懇談会では、児相に子どもを保護された当事者らへの実態調査を定期的に行っている。第3回目の調査では、一時保護を経験して本人・親・親族に心身の不調がどのように発生してきたかをテーマとした。58名が調査に協力いただいた。

以下、このアンケート結果より以下の点が読み取れる。

① 子67%、親94%、祖父母親族49%に心身不調出現
② 子の不安、怯え、不眠、楽しみにしていた行事に参加できず、不登校など出現
③ 「不調の親」を理由に親子分離されると心配し受診控えた、と多数から訴え
④ 児相対応を疑問視する医師等が現れ、児相に意見を述べる事例が発生

とりわけ、親たちが「不調の親には養育能力がない」と言われ、子どもが戻らないのでは、再保護されるのではと怯え、具合が悪くとも医師にはかからないという訴えが多数あった。令和6年度からは、困難を抱える女性のための支援事業が、わが国では始まる予定だが、「相談したら児相の通報され、子どもが取られる」と認識したら、せっかくの支援事業は困難を抱える女性には利用されなくなる。『親子分離こそ正義』という逆ネジを強力に撒ことで、全ての児童福祉施策は水の泡となる。イギリスの元首相トニー・ブレア氏が回顧録で述べている。「児童虐待に福祉施策で対応することは、ドルをドブに捨てるようなものだ。児童虐待は刑事事件として扱う。」とした。国連でも「虐待事件は刑事訴追するように」と勧告されている。

刑事事件として扱う範疇にない家族内の親子トラブルは、それこそが、困難な問題を抱える家族への支援策として、計画通り市町村が対応できるよう、人員と施策を用意するべきと考える。理由なし一時保護への怯えがなければ、親子は福祉施策を利用できるようになるだろう。

第3回「一時保護を経験しての心身不調」実態調査報告書をご覧ください。