なかなか敷居が高いという印象があったため、意外にも児童養護施設訪問は初めてだ。きっかけとなったは、昨年、虐待対応に関する複数の市担当者へのヒアリングを行ったことで、市の担当者を通じて施設につないでいただいての訪問となった。
千葉県の人口630万人の内、半分の320万人は北西部(11市)に暮らしている。その人口集中地域にはこれまで1カ所の児童養護施設(船橋市内)しかなく、平成21年度ようやく松戸市内に設立したのが、今回伺った晴香園、定員40名である。施設は個室型であり、子ども達は自分の所有物に愛着を持って使う。一方、一時保護所では自分のものが一切所有できず、囚人のように与えられたもののみしか使えない。個人の尊厳を消される環境が一時保護所であることを痛感した一コマだった。後援会に780人が加入してくださり、年間580万円の寄付金が子どもたちの進学や塾や学びに使用されている。ほとんどのお子さんが進学できているとのこと。
私がどうしても確認したかったのは、150万人を有する6市(野田、我孫子、流山、柏、松戸、鎌ケ谷)で契約しているショートステイ枠はわずか8床。全く足りないはずである。ショートスティができれば家族で暮らせる環境が整うはずなのに。どうしているのか?全く足りないため、松戸市のみ登録している里親さんにショートスティを施設の判断で、落ち着いているお子さんを優先してお願いしており、施設の8枠を他に使えるように融通しているとのこと。他、5市にも今後拡げていきたいという。
親との面会通信のやり方は児相からの指示に沿って行うので、ここでも児相の判断を是として扱う仕組みになっている。どこまでも児相がコントロールしている、強大な権力がすべてに及ぶ以上、常に子や親が不利益を訴えたり主張する窓口は必ず必要である。